Welcome to Anuhea!
アヌヘア:ハワイの花・植物・野鳥図鑑
アヌヘア(anuhea:「高地の森の涼やかで柔らかい香り」という意味のハワイ語)は、ホノルル在住のグラフィックデザイナー崎津鮠太郎の制作による、ハワイでみることができる植物と野鳥の簡素なウェブ図鑑です。
図鑑の項目は、「plants(花と植物)」と「birds(野鳥)」に大きく分かれています。それぞれのトップページでは、登録されている種が科別に並べられています。サムネイル画像もあるので、ビジュアルから種の名前などを知りたい場合に便利です。制作者のプロフィール、地図や記号の見方、このサイトで特に多用する用語の定義、参考文献のリストなどは、『インフォ』ページをご覧ください。
私は植物学にも鳥類学にも素人ですので、専門の方からみれば様々な批判もあると思います。しかしハワイへ旅行される方、もしくは在住されている方で、ハワイのことをもっと知りたいと思っていらっしゃる皆様のお役に少しでも立てればと思い、このウェブサイトを作りました。
FacebookとTwitterでは新しい写真や新着情報などを発信しています。興味がある方はお気軽にフォローしてください。私の個人ウェブサイトのブログでは、ハワイ全般のトピックの他に、アヌヘアに書いていない鳥や花の小ネタや、鳥以外のハワイの生き物(爬虫類、蝶、海の生き物など)なども紹介しています。また、写真はInstagramやFlickrでも、動画はYouTubeでも公開しています。
また、当サイトに掲載されているハワイの花や野鳥の写真の多くは、アートプリント、グリーティングカード、ポストカードとして、Studio Elepaioのウェブサイトで販売されています。ウェブサイトは英語のみで日本語には対応していませんが、日本からのクレジット決済および、商品の日本への発送は可能です。
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Hawaiʻi’s Unique Flora & Fauna
絶海の孤島のユニークな生物相
広大な太平洋の真ん中にポツンと浮かぶハワイ諸島は、地球上のすべての大陸から遠く離れています。アメリカ西海岸のサンフランシスコからは3,800km、東京からは6,200kmも離れています。この隔絶に、穏やかな気候も相まって、ハワイはたいへん独特な植物相と動物相を持っています。このことは、ハワイ在来の動植物の多くが、ハワイ以外の地域には生息していない固有種であることからもわかります。
これらの在来種に、古代ポリネシア人が持ち込んだ伝統植物(ククイ、ココヤシ、タロなど)が加わり、さらに、西洋文明との接触以降は、世界中からあらゆる動植物が持ち込まれました。植物は、これまで5,000種以上が持ち込まれました。鳥類は、これまでに300種以上の生息が記録されています。ハワイという小さな島々にしてみれば、信じがたいほどの多さだと思います。
以上のことは、私のブログ記事『ハワイの花と植物の歴史』、『ハワイの野鳥の歴史』で詳しく紹介していますので、興味がある方はそちらもご覧ください。
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Is Hawaiʻi Really a Paradise?
ハワイは本当に楽園?
私は、ホノルルでグラフィックデザイナーをやっています。当然、旅行客向けのフライヤーや広告をデザインすることも多いのですが、それらのキャッチコピーに『楽園ハワイ』や『パラダイス』という言葉がよく出てきます。テレビ、雑誌、ウェブなどをみても、これらの言葉がキラキラと踊っています。しかし、ハワイは本当に楽園なのでしょうか?
ある一面では、ハワイは確かに楽園なのかもしれません。ハワイで過ごしていると、そう呼ぶにふさわしいマジカルな瞬間がたくさん訪れます。暑くも寒くも湿っぽくも乾燥しすぎでもない、すべてがちょうどいい空気のなかで、心地よい貿易風に吹かれながら夕日や波や虹や花を眺めている時間は、ほんとうにプライスレスで、まさに楽園という言葉がぴったりです。
しかし現実的には、ハワイは楽園ではないと私は思います。ハワイの自然は無限に永遠に恵みを与えてくれるものではありませんし、そこに暮らす人々は資本主義社会という現実世界のなかで日々を生きています。他のどの土地とも同じように、多くの社会問題、環境問題も抱えています。ハワイを訪れる皆様は、それらのことを認識し、自然と社会を尊重しながら、ハワイを楽しんでいただきたいと思います。
ハワイは小さな島々とはいえ、実際に山に入ってみると大地は険しく、森や谷は途方もなく深いことを実感します。観光リゾート地としての『楽園ハワイ』とはまったく違った、厳しい顔を見せることもあります。
「真っ直ぐ進めばそのうち必ず海にでるのだから、島で遭難することはない」と思われるかもしれません。しかし、地元のハイカーでも遭難したり、転落事故に遭ったり、突然増水した川を渡って帰れなくなって救助されるというケースも決して珍しくありません。この図鑑に載っている植物や野鳥を実際に自然のなかに探しに行かれるときには、現地の最新情報を十分に下調べしてから行かれてください。
山では、整備されたトレイルから外れないようにしてください。ごみを持ち帰ることなどは当然ですが、許可なく花や枝を折ったり、野鳥に近づきすぎたりしないで、自然に対する尊敬の気持ちと愛情を常に持っていただきたいと願います。トレイルに設置してある看板の指示には必ず従ってください。「英語だからわからなかった」では通用しません。英語、体力、現地のマナーや地理に少しでも不安がある場合は決して無理をせず、エコツアーに参加されることをお勧めします。
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Love for the Land
アロハ・アーイナの精神を
ハワイは、「世界の絶滅(危惧種)の首都」と呼ばれることがあります。残念ながらその通りで、ハワイ在来の多くの動植物がすでに絶滅しています。そして現在も、多くの種が絶滅の危機に瀕していて、ひっそりと、永遠に、消えていこうとしています。しかしその一方で、ハワイの自然はとても懐が深くて、外からやってきたあらゆるもの——我々人間も含めて——を、大らかに受け入れてくれるような気がします。ハワイの自然について知れば知るほど、その特殊性と多様性に本当に驚かされます。
そんな場所ですから、ハワイにいらっしゃる方はぜひ積極的に野外に出て、懸命に生きている花や草木や鳥たちに目を向けて、命の輝きを感じていただきたいと思います。このウェブサイトが、残念ながら日々失われつつあるハワイの貴重な自然に少しでも多くの皆様が興味を持っていただくきっかけになれば幸いです。
ハワイには、「アロハ・アーイナ(aloha ʻāina)」という、古くから受け継がれている考え方があります。「大地への愛」という意味です。このアロハ・アーイナの精神を、ハワイを愛する全ての人で共有して、ハワイのかけがえのない美しい自然をもうこれ以上失わないようにしなければなりません。そして、アロハ・アーイナがハワイをこえて世界中に広がれば、どんなに素晴らしいでしょう。
アヌヘア制作者
崎津 鮠太郎