Pua kenikeni (Fagraea berteriana)
芳香がある花で知られる。同じく香りがよいティアレとともに、花が好きな人たちのあいだでの人気が高く、庭に植えている家も多い。魅力的な花の香りが庭中に広がり、ときには家の中にまで入ってくる。
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日本語名 | — |
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ハワイ語名 | pua kenikeni |
英語名 | — |
学名 | Fagraea berteriana |
分類 | リンドウ科(Gentianaceae) |
その他 | 外来種(alien) |
分布
A
原産地はニューカレドニア、サモア、東ポリネシアなど南太平洋の島々。ハワイには自生しないが、主に装飾目的で植えられている。ホノルル、カフルイ、ヒロなどの都市の住宅地に多い。
特徴
樹高12mの高木にまで育つものもあるが、一般的には3m程度の低木。クック諸島の森では普通に見られる木だそうで、環境条件がよければ樹高15mにもなるという。葉は長さ15cm、約7.5cm、光沢がある。花は長さ5cmくらいの漏斗状で、トランペットのような形をしている。枝の先に複数の花をつける。花の色は、クリーム色から時間が経つにつれオレンジ色に近い濃い黄色に変化する。果実は2.5cmくらいで、オレンジ色もしくは赤色。果実は鳥たちが好んで食べる。
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レイ
プア・ケニケニの花で作られた香りの良いレイは、大変人気がある。レイは一年中手に入る。最初はクリーム色だったレイが、日が経つごとに美しいオレンジ色に変わっていくのを楽しむことができる。レイはプア・ケニケニの花のみで作られているものが最も多いようだが、マイレやラン(オーキッド)とのコンビのレイもある。
プア・ケニケニの花は繊細で傷つきやすいので、細心の注意を払ってレイが作られる。完成したレイはポリ袋にいれて、好みの色合いになるまで保管できる。ポリ袋に空気をいれて口を結び、冷水に浮かべて保管するとよい。冷蔵庫に入れるとすぐに傷んでしまう。
その他の利用
ポリネシアの島々では、ココナッツオイルに香りを付けるためにプア・ケニケニの花が使われることもある。タヒチでは、本種の木材を使ってタネ(Tane、森の神)の神像が作られる。ちなみに、原産地の南太平洋では本種にまつわる様々な伝説があるという。ポリネシアの神話世界では神聖な木とされていたそうだ。
10セントの花
プア(pua)は花、ケニケニ(kenikeni)は、英語の数字の「10(ten)」をハワイ語発音「keni」にして繰り返したもので、それが転じて10セントという意味になる。つまり、プア・ケニケニとは「10セントの花」という意味である。昔はプア・ケニケニの花が10セントで売られていたことに由来する。10セントは、仮に1ドル100円とする場合10円であるから、「安価な花」というニュアンスで受け止められるかもしれない。しかしこれは誤解で、むしろ「(当時の価値で)10セントもする高価な花」という意味である。
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