Iliau (Wilkesia gymnoxiphium)
カウアイ島の山地に自生するキク科の低木。マウイ島とハワイ島の高山植物ギンケンソウ(シルバーソード)の近縁種。
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日本語名 | — |
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ハワイ語名 | iliau |
英語名 | — |
学名 | Wilkesia gymnoxiphium |
分類 | キク科(Asteraceae) |
その他 | カウアイ島固有種(endemic) |
分布
E
カウアイ島固有種。観光地としても有名なワイメア・キャニオン(Waimea Canyon)がある、島の西部の山地にのみ分布する。標高425~1,100mの尾根や開けた林に生育する。
特徴
高さ1~5m。細長い幹が直立し、先端には9~15枚の細長い剣のような葉が密集する。その姿は、梵天付きの耳かきを彷彿させる。通常、枝はないが、枝を持つ場合は枝付き燭台を彷彿させる。葉は長さ15~50cm、幅0.4~1.5cm。長い葉に並行して数本の葉脈がある。
花はクリーム色【写真1】。多いものは一度に約100個の花をつける。花期は5~7月。花をつけた姿はギンケンソウによく似ているが、本種は直立した枝の先に花をつける点が大きく異なる。ギンケンソウ同様、一個体が花をつけるのは、一生を終えて枯れる前の一度だけである。寿命は2~10年。
Wilkesia属
イリアウが属するWilkesia属は、ハワイ固有の属である。本種と、後述するドワーフ・イリアウ(Wilkesia hobdyi)の2種からなり、いずれもカウアイ島のみに分布する。ギンケンソウが属するArgyroxiphium属、同じくハワイ固有の属で21種からなるDubautia属とは近縁とされる。
属名は、19世紀のアメリカ人軍人・探検家であるチャールズ・ウィルクス(Charles Wilkes、1798–1877)に由来する。
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イリアウ・ネイチャー・ループ
本種は、ワイメア渓谷州立公園(Waimea Canyon State Park)内にあるイリアウ・ネイチャー・ループ(Iliau Nature Loop)というハイキングトレイルで簡単に見つけることができる【写真2】。この家族向けのトレイルのおかげで、イリアウは、もっとも簡単に野生の状態で見つけられるハワイ固有の植物のひとつであると言える。
イリアウ・ネイチャー・ループは、ワイメア渓谷の谷底まで降りるククイ・トレイル(Kukui Trail)の入り口でもある。
アヴァアヴァプヒ・トレイル
イリアウ・ループ・トレイルほど多くはないが、コーケエ州立公園(Kōkeʻe State Park)内にあるアヴァアヴァプヒ・トレイル(Awaʻawapuhi Trail)の終点付近でも自生するイリアウを見ることができる。天気が良ければ、トレイルの終点ではヌアロロ・バレー(Nuʻalolo Valley)の素晴らしい眺めが期待できる【写真3】。
ドワーフ・イリアウ
Wilkesia属のもう1種(Wilkesia hobdyi)は、ドワーフ・イリアウ(dwarf iliau)と呼ばれる。高さ70cmになる低木で、1971年に新種として初めて記述された。ドワーフ(dwarf)は「小さい」という意味で、その名の通りイリアウよりずっと小型。花はクリーム色。カウアイ島のポリハレ(Polihale)とカーアヴェイキ(Kāʻaweiki)の、標高275~400mの乾燥した尾根に自生する。個体数は350本程度と非常に少なく、絶滅の危機に瀕している。
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