Palapalai (Microlepia strigosa)
ハワイ在来の中型のシダ植物。
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日本語名 | イシカグマ |
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ハワイ語名 | palapalai、palai |
英語名 | — |
学名 | Microlepia strigosa |
分類 | コバノイシカグマ科(Dennstaedtiaceae)フモトシダ属(Microlepia) |
その他 | ハワイ在来種(indigenous) |
分布
I
ヒマラヤ、スリランカ、東南アジア、日本、ポリネシアに自然分布する。ハワイでは主要6島すべてで見られ、標高1,770mまでの森に自生する。湿潤で陰が多い場所を好む。ハワイ火山国立公園内(Hawaiʻi Volcanoes National Park)の水気の多い場所などで見つけやすい。
特徴
葉は羽状複葉。明るい緑色で柔らかい。葉身全体は三角形。通常、葉は長さ100cm、幅30cmくらい。小葉の形は多様だが、茎側の縁は比較的真っ直ぐで、反対側の縁は小さな丸い切れ込みが多数入っている【写真1】。
葉には1~2mmの毛が生えていることが多い。種小名のstrigosaは、「髭のような短い毛」という意味であり、葉に生えている毛に由来する。毛の量は様々で、毛が特に濃いものとそうでないものが、それぞれ下記の変種に分類される。
Microlepia strigosa var. mauiensis
葉の毛がとても多い変種で、びっしりと毛で覆われている。マウイ島とハワイ島の、標高425〜1,830mの湿潤な森に生育する。個体数は少ない。変種としてはハワイ固有種【写真2】。
Microlepia strigosa var. strigosa
葉の毛が少ないタイプ。主要6島に分布する。
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フモトシダ属
パラパライが属するフモトシダ属(Microlepia)は約50種からなり、日本、ニュージーランド、マダガスカル、アフリカ、熱帯アメリカなどに分布する。ハワイには本種を含めた2種の在来種があり、それら2種の交配種も確認されている(後述)。
近縁種 Microlepia speluncae
ハワイに分布するもうひとつのフモトシダ属の種。中〜大型のシダ。葉身は長さ1mくらいだが、ときに3m以上になる場合もある。日本、中国南部、ヒマラヤ山脈、インド、スリランカ、マレー半島、日本、台湾、フィリピン、ポリネシア、アフリカなどに広く分布する。フモトシダ属のなかでは唯一アフリカに自然分布する種である。
ハワイでは、在来種としてカウアイ島、オアフ島、ハワイ島の標高480〜1,280mの湿潤な森に生育する。パラパライと比べると個体数ははるかに少ない。ハワイ語名はない。
交配種 Microlepia speluncae x M. strigosa
ハワイでは、Microlepia speluncaeとパラパライのハイブリッドが確認されている。カウアイ島、オアフ島、ハワイ島で大きな群落がある。両種の特徴を持つが、M. speluncaeにより近い。
利用
香りがよくて柔らかいパラパライの葉は、昔も今もフラのダンサーたちによって美しく編み込まれてレイになり、頭、手首、足首などに飾り付けられる。レイは、他の花と一緒に作られることも多い【写真2】。装飾用に栽培もされている。栽培は難しくなく、室内でも育つ。
神聖なシダ
パラパライは、フラの女神ラカ(Laka)に捧げる神聖な植物とされており、歌やチャントにもたびたび登場する。ハーラウ(hālau。フラの学校、一座。元々はカヌーを保管したりフラを練習したりするための大きな建物のこと)では、イエイエ、オーヘロ、オーヒア・レフア、キー(ティ)、ハラ・ペペ、マイレなどとともに、祭壇に供えられる植物のひとつである。歌やチャントにもよく登場する。
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