コーヒーノキ(アラビアコーヒー)

Arabian coffee (Coffea arabica)

コーヒーノキ(Coffea arabica) コーヒーノキ(Coffea arabica)

コーヒーの材料として広く知られている。

日本語名 コーヒーノキ、アラビアコーヒー
ハワイ語名 kope
英語名 Arabian coffee
学名 Coffea arabica
分類 アカネ科(Rubiaceae)コーヒーノキ属(Coffea)
その他 外来種(alien)

分布

A

原産地はエチオピアとされる。古くから世界中の熱帯地域で栽培されている。ハワイでは1820年代から栽培されていたものが野生化し、標高30~580mの湿潤な谷や川沿いなどで生育している。ハワイの主要6島すべてで野生化が記録されている。

コーヒーノキ属(Coffea)

本種が属するコーヒーノキ属(Coffea)は約40種からなり、旧大陸に分布する。特にアフリカに多い。

特徴

コーヒーノキの果実
【写真1】コーヒーノキの果実 | Photo by Forest & Kim Starr

高さ2~5mくらいになる低木または小高木。幹は白色に近い。枝は細く、横に伸びる。葉は対生で光沢があり、長さ7~20cm、幅3.5~7cm。葉の縁はゆるやかに波打っている。葉の裏側は表側よりも明るい。花は白色で、ジャスミンに似た芳香がある。果実は赤い楕円形で、長さ1.2~1.6cm、直径1~1.2cm【写真1】。

利用

嗜好品として世界的に広く親しまれているコーヒーは、本種の種子を焙煎して粉に挽いたものを湯や水で抽出したもの。コーヒーの材料になるものは、他にロブスタコーヒー(Coffea canephora)とリベリアコーヒー(Coffea liberica)があるが、世界で生産されるコーヒー豆の大半は本種(アラビアコーヒー)が占めている。

ハワイのコーヒー

ハワイには、フランシスコ・デ・パウラ・マリン(Francisco de Paula Marín、1774–1837)によって1813年に初めて持ち込まれたとされている*。さらに1825年にも移入され、オアフ島のマキキ・バレー(Makiki Valley)でコーヒー農園の経営が試みられたが失敗した。

なお、コーヒー農園があったマキキ・バレーや、近くのタンタラス山(Tantalus)の森をハイキングすると、現在でもコーヒーノキが自生しているのを見ることができる。当時の農園の名残であるかと思える。

その後、コーヒー栽培の拠点はハワイ島のリーワード(leeward、貿易風の風下側)に移され、のちにKona coffee(コナコーヒー)の名で世界的に知られる高級コーヒーになった。コーヒーは、現在ではハワイ島以外の島々でも栽培され、主要な農産物のひとつとなっている。ハワイ土産の定番のひとつでもある。

*1823年という説もある。

ハワイ語名

ハワイ語では、英語のcoffeeをハワイ語表記してコペ(kope)と呼ばれる。ちなみに、コーヒーミルはウィリ・コペ(wili kope)、コーヒー店はハレ・イヌ・コペ(hale inu kope)という。ウィリは「挽く」、ハレは「家」、イヌは「飲む」という意味。

ハワイの雪

コーヒーノキの果実
【写真2】コーヒーノキの花 | Photo by Forest & Kim Starr

春の数日間、白い花を一斉につける。その姿はまるで木々が雪をかぶっているようで、「ハワイアン・スノー(Hawaiian snow)」と呼ばれる【写真2】。

作成日: