Traveler’s tree (Ravenala madagascariensis)
バナナの葉に似た大きな葉が、巨大な団扇のように上方に平べったくアーチを広げた独特な姿をしている。木の姿からヤシの木の仲間だと思われがちだが、バード・オブ・パラダイスと同じゴクラクチョウカ科に属し、バナナやヘリコニアなどの近縁である。
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日本語名 | タビビトノキ(旅人の木)、オウギバショウ(扇芭蕉)、リョジンボク(旅人木) |
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ハワイ語名 | — |
英語名 | traveler’s tree、traveler’s palm |
学名 | Ravenala madagascariensis |
分類 | ゴクラクチョウカ科(Strelitziaceae)タビビトノキ属(Ravenala) |
その他 | 外来種(alien) |
分布
A
種小名madagascariensisが示す通り、原産地はマダガスカル。ハワイでは観賞植物として人気があり、ショッピングセンター、ホテル、コンドミニアム、公園、民家の庭などに多く植えられている。陰が多くて水気のある場所を好む。
特徴
成長は早く、大きなものでは高さ12mくらいになる。
世界でもっとも大きな葉をもつ植物のひとつとされる。葉身は長さ2.7mほどになり、葉柄はさらに長い。新しい葉は中心部から古い葉を両外側に押し出すように生えて、葉の基部には美しいパターンができる【写真1】。もっとも外側の古い葉はやがて萎れて落葉する。
大きな鳥のくちばしのような花は、近縁のジャイアント・ホワイト・バード・オブ・パラダイス(Strelitzia nicolai)の花によく似ている。花は一年中みられる。
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水を溜める木
タビビトノキ(旅人の木)やリョジンボク(旅人木)という名の由来は、葉柄の基部に溜まる雨水を旅人が飲んで喉の渇きを潤したからとされるのが一般的。しかし、少なくともハワイのタビビトノキに溜まった水にはゴミが溜まり、ボウフラなどの虫もわいていることが多く、とても飲む気にはならない。原産地のマダガスカルではきれいな水がたまるのだろうか。
また、本種は自然環境のなかでは扇状の葉が南北に広がるそうで、そのために旅人が方角を知るコンパスとなったためだという説もある。
溜まった水がおもりになり、強風にさらされる大きな葉を支えているのではないかと考える人もいるそうだ。
その他の名前
日本語ではオウギバショウ(扇芭蕉)とも呼ばれる。英語ではtraveler’s treeのほかに、姿がヤシの木に似ていることからtraveler’s palm(旅人のヤシ)とも呼ばれるが、ヤシ類と本種は全くの別ものである。
シロクロエリマキキツネザル
タビビトノキの花粉を媒介するのは、マダガスカル固有種のシロクロエリマキキツネザル(Varecia variegata)のみとされている。このキツネザルはハワイにはもちろん生息していないので、タビビトノキはハワイでは受粉して繁殖することはできないということになる。なお、シロクロエリマキキツネザルは深刻な絶滅の危機に瀕しており、マダガスカルでは保護活動が行われているという。
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