Rainbow shower (Cassia × nealiae)
ハワイでもっとも人気がある街路樹のひとつ。ゴールデンシャワー(C. fistula)とピンクアンドホワイトシャワー(C. javania)を交配して生み出された、ハワイ産のハイブリッド。元々は上記2種の自然交配種が発見されたのが始まりである。その後、意図的に交配させて数が増やされた。観光客やハワイに移住して間もない人の多くは、シャワーツリーといえば、このレインボーシャワーを思い浮かべるであろう。
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日本語名 | — |
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ハワイ語名 | — |
英語名 | rainbow shower |
学名 | Cassia × nealiae |
分類 | マメ科(Fabaceae)ナンバンサイカチ属(Cassia) |
その他 | 交配種(hybrid) ホノルル市の木(Wilhelmina Tenney) |
分布
A
商業地や住宅地に多く植えられているが、野生化の記録はない。ホノルル市内では、ワイキキの大通り、カピオラニ公園(Kapiʻolani Regional Park)、サウス・キング・ストリート(S. King Street)、カラニアナオレ・ハイウェイ(Kalanianaʻole Highway)、ハワイ大学構内、ファーマーズマーケットで有名なKCC(カピオラニ・コミュニティ・カレッジ)構内などにたくさん植えられているので、観光客も必ず目にする木である。オアフ島以外でも、カウアイ島のリーフエ(Līhuʻe)、マウイ島のハーナ(Hāna)、ハワイ島のヒロ(Hilo)などに多く植えられている。
特徴
樹高約10mの高木。花は5月頃から多く咲き始め、秋まで咲き続けるが、冬でもわずかに咲いている場合もある。花のピークは7~8月で、この時期は花の量が多く、見た目がとてもゴージャス。逆に花があまり咲いていない冬場は、たくさんの葉に覆われた地味な印象の木である。葉は深緑色の複葉で、6~10組の小葉からなる。小葉は卵形。マメ科だが、交配種なので豆果はほとんどつけない。
一口にレインボーシャワーといっても、『クイーンズ・ホスピタル・ホワイト(Queen’s Hospital White)』、『ウィルヘルミナ・テニー(Wilhelmina Tenney)』、『ルナリロ・イエロー(Lunalilo Yellow)』などがあり、花の色はピンク色、クリーム色、赤色、淡い黄色、濃い黄色など、多彩【写真1】。『ルナリロ・イエロー』のことをゴールデンシャワーを呼んだり、後述する『ウィルヘルミナ・テニー』をピンクシャワーと呼んだりすることがあるが、誤りである。
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ウィルヘルミナ・テニー
シャワーツリーといえばレインボーシャワーを思い浮かべる人が多いと書いたが、そのレインボーシャワーのなかでもとくに有名なのが『ウィルヘルミナ・テニー(Wilhelmina Tenney)』である。花の色はじつに複雑で、様々なトーンの白色、黄色、ピンク色、オレンジ色、赤色などのコンビネーションからなり、「○○色」と一言で表すことは難しい。
『ウィルヘルミナ・テニー』というのは、エドワード・D・テニー (Edward D. Tenney。キャッスル&クック社の社長を長年務めた)という人物の娘の名前である。最初の『ウィルヘルミナ・テニー』は、1920年から、ルナリロ・ストリート(Lunalilo Street)のテニー家の庭で育てられたという。そのオリジナルの木から殖された木が、フォスター植物園に現存する【写真2】。これは、1940年代の終り頃に、テニー家のウィルヘルミナ・テニーから、植物園の初代ディレクターであるハロルド・ライオン博士(Dr. Harold Lyon)に贈られたものである。
ホノルル市の木
『ウィルヘルミナ・テニー』は、1965年に当時のホノルル市長だったニール・ブレイズデル(Neal Blaisdell)によって『ホノルル市の木』に指定された。ワイキキとダイヤモンドヘッドの間にあるカピオラニ公園(Kapiʻolani Regional Park)では、『ホノルル市の鳥』であるマヌオクー(シロアジサシ)が、ウィルヘルミナ・テニーの上空や周りを飛ぶ姿を見ることができる【写真3】。
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