Monstera (Monstera deliciosa)
常緑のつる植物。穴が空いたユニークでエキゾチックな姿の葉が好まれ、装飾用や観葉植物として熱帯地域で広く栽培される。ハワイでは一般的に広く知られている植物で、アロハシャツやバッグなどの絵柄や、ハワイアンキルト、ロゴのモチーフとしても人気がある。
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日本語名 | ホウライショウ(鳳莱蕉) |
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ハワイ語名 | — |
英語名 | monstera、Swiss cheese plant、ceriman |
学名 | Monstera deliciosa |
分類 | サトイモ科(Araceae)ホウライショウ属(Monstera) |
分布
A
メキシコと中央アメリカ原産。森林の伐採が広がるにつれて、原産地における野生のモンステラは減少しているという。ハワイでは庭などに多く植えられているが、野生化の記録はない。
特徴
木本性のつる植物。大きな木の幹にしがみつくようによじ登り、高さ30m以上に達することもある【写真1】。切れ込みがあり、楕円形の穴がたくさん空いた、光沢のある大きな葉が特徴。若い葉はハート形で、穴はない。
花は、同じサトイモ科のミズバショウに似ている。花序は長さ20~30cmで、直立した花穂がボート型の仏炎苞に囲まれている。仏炎苞が落ちたあとは、香りのよい、トウモロコシに似た果実が熟す。ただし、家庭で育てる場合は、花や果実はめったにつけないようである。
発芽後は、最も暗い場所に向かって伸びる性質がある。よじ登るのに適した木にたどり着くと、今度は明るい場所——森の中では木の上部——に向かって生長する。
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名前の由来
近藤純夫氏の『ハワイアン・ガーデン 楽園ハワイの植物図鑑』(株式会社 平凡社、2004年)によると、日本語名のホウライショウ(鳳莱蕉)は、パイナップルを表す「鳳梨」や「黄莱」、そしてバナナを表す「蕉」を合わせた言葉であるという。モンステラの果実がパイナップルとバナナを合わせたような味であることに由来するらしい。
穴の空いた葉がスイスチーズを彷彿させることから、英語ではSwiss cheese plantと呼ばれることもある。
属名でもあるモンステラ(Monstera)は、「怪物のような」や「異常な」などの意味があるラテン語の言葉に由来する。穴が空いた葉からついた名前だろうか。種小名deliciosaは、「味が良い」という意味のdeliciousに由来する。
ホウライショウ属
モンステラが属するホウライショウ属(Monstera)は、約60種からなる草本もしくは常緑のつる植物。原産地はメキシコ、ブラジル、ボリビア。
本種以外にはマドカズラ(Monstera friedrichsthalii【写真3】)やハネカズラ(Monstera standleyana)などが知られるが、一般的に「モンステラ」と呼ぶ場合は本種Monstera deliciosa(モンステラ・デリシオーサ)のことをさす。
利用
熟れた果実は食用になる。熟れるまで1年以上かかる。筆者は食べたことがないが、パイナップル、バナナ、マンゴーなどを彷彿させる、いかにもトロピカルフルーツという味がするらしい。
果実は生食されるほか、飲み物やアイスクリームの味付けにも使われるという。シュウ酸カルシウムを含むため、熟れていない果実を食すと口内や喉に痛みが出るそうである。
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