Strawberry guava (Psidium cattleianum)
ハワイで最も深刻な有害植物のひとつ。
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日本語名 | テリハバンジロウ、イチゴグアバ、ストロベリーグアバ |
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ハワイ語名 | waiawī ʻulaʻula、waiawī |
英語名 | strawberry guava |
学名 | Psidium cattleianum |
分類 | フトモモ科(Myrtaceae)バンジロウ属(Psidium) |
その他 | 外来種(alien) |
分布
A
もともとは新熱帯区に分布していたが、現在では世界中の熱帯と亜熱帯の地域に植えられ、野生化している。ハワイでは外来種として主要6島すべてで定着している。標高15~1,220mの乾燥した森や湿潤な森に生育する。
特徴
高さ2~6mの低木もしくは小高木。幹は明るい茶色。葉は長さ3.5~13.5cm、幅3~6cmで、光沢がある。葉には芳香がある。花は白色で、多数の雄しべがある【写真1】。果実は直径2〜3cmで、中には大きさ5mmくらいの種子が多数ある。果実は赤色や赤紫色が一般的だが、黄色のものもある。ハワイでは、赤い実をつける最も一般的な品種と、黄色い実をつける2つ品種の、合計3品種に分類される。
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バンジロウ属
ストロベリーグアバが属するバンジロウ属(Psidium)は、100〜150種からなり、新熱帯区に分布する。ハワイには本種とグアバが外来種として定着している。属名Psidiumは、ギリシア語のsidionという言葉に由来する。ザクロ(Punica granatum、ミソハギ科)を指すsideの指小辞がsidionで、つまり「小ザクロ」という意味になる。
ハワイへの移入
ハワイには、1825年に『HMS Blonde』という船によってブラジルから移入されたとされる。この船は、イギリスとブラジルからたくさんの植物の種子や果実を載せてハワイに来島したことで知られている。
ハワイ語名
外来種だが、ハワイ語名がつけられている。黄色い実をつける品種のひとつ(Psidium cattleianum f. lucidum)は、ワイアヴィー(waiawī)と呼ばれる。赤い実をつける品種は、ワイアヴィー・ウラウラ(waiawī ʻulaʻula)と呼ばれる。ウラ(ʻula)は赤という意味で、ハワイ語では強調を表す意味で言葉が繰り返されることがある。
利用
食用
果実は生食できる。酸味があり、名前の通りイチゴに似ていて美味。地元のハイカーの間では近縁種のグアバよりも人気があり、ストロベリーグアバの実を食べることを楽しみにハイキングに来る人もいる。果実からは、ジャム、ゼリー、フルーツパンチなどが作られることもある。実がたくさんなっている時期のハイキングトレイルでは、ポリ袋にストロベリーグアバの実を集める地元の人の姿もみられる。
ハイカーの杖
ハワイのハイキングトレイルのスタート付近には、ストロベリーグアバの林が続くことが珍しくない。さらに、ストロベリーグアバの幹は硬くてまっすぐで、しかも滑らかで手触りもよい。これらの理由から、ハイカーが幹を杖として利用することがある。ハイキングトレイルの入り口には、ハイカーがハイキング中に拾って杖として使い終わったストロベリーグアバの幹が、ときには数本、次に来るハイカーが使えるように置かれていることもある。
ただし、在来植物の枝や幹を杖にするために切ったり折ったりするべきではないので、注意が必要。
燃料
木材は、薪木や木炭として使われていたという。木炭は、主に料理に使われたり、サトウキビを畑から工場まで運ぶための蒸気エンジンの燃料に使われた。このため、20世紀のある時期までは、ある程度のグアバ類が収穫されることによって、森によっては生育範囲の拡大がコントロールされていたそうだ。
侵略的外来植物
人が食べても美味しいストロベリーグアバの果実は、ブタや外来種の鳥たちの大好物でもある。果実を食べるこれらの野生動物たちによって、本種の種子がハワイの森じゅうに広がっていった。しかも本種は、他の植物の生育を抑制する物質を有するため、本種単一の植生を作るというやっかいな性質がある。
その結果、ハワイの広範囲の森があっという間にストロベリーグアバの群落になってしまい、在来植物は淘汰されてしまっている。同様のことは、ハワイ以外の多くの場所でも起きていて、深刻な有害植物とされている。
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