パーウーオヒイアカ

Pāʻū-o-Hiʻiaka (Jacquemontia ovalifolia)

パーウーオヒイアカ(Jacquemontia ovalifolia) パーウーオヒイアカ(Jacquemontia ovalifolia)

海岸近くで地面を這うように低く伸びる、つる性の植物。

日本語名
ハワイ語名 pāʻū-o-Hiʻiaka、kākua-o-Hiʻiaka
英語名
学名 Jacquemontia ovalifolia
分類 ヒルガオ科(Convolvulaceae)オキナアサガオ属(Jacquemontia)
その他 ハワイ在来種(indigenous)

分布

I

メキシコ、西インド諸島、アフリカ、そしてハワイ諸島に分布する。ハワイでは、主要6島すべてに分布する。標高30m以下の、海岸に近い乾燥した場所に生育する。特にリーワード(leeward、貿易風の風下側)に多い。オアフ島のカエナ・ポイント(Kaʻena Point)や、マウイ島のワイレア・ポイント(Wailea Point)などで見ることができる。

カエナ・ポイント
【写真1】カエナ・ポイント(オアフ島)

特徴

茎は長いもので3mくらいまで伸びる。葉は楕円形で、長さ0.7~6cm、幅0.6~3.5cm、厚みがあり、先端はくぼんでいる。花は直径約2.5cmくらいで、ベルのような形をしている。花弁は淡い青色もしくは白色で、5枚あり、長さ10~15mm。花は一年中つける。

利用

昔のハワイでは、パーウーオヒイアカの葉と茎をすりつぶしたものが下剤として使われていたそうだ。また、葉と茎は、カロ(タロ芋)の葉と混ぜてすりつぶしたものに塩をかけるか、干したココナッツと一緒に食べられていたという。

オキナアサガオ属

Manual』によると、パーウーオヒイアカが属するオキナアサガオ属(Jacquemontia)は80~100種からなるとされているが、訂正の必要があるという。主にアメリカ大陸に分布するが、旧世界にも数種あるらしい。

Jacquemontiaという属名は、フランスの植物学者ビクター・ジャクモント(Victor Jacquemont, 1801–1832)にちなんで付けられた名前である。ジャクモントは、1828年にインドへ行き、インドの植物について記した書物を出版した。渡航から4年後の1832年、ムンバイ(ボンベイ)で病没した。

名前の由来

パーウー(pāʻū)は、女性が腰に巻くサロン(腰巻)やスカートのこと。オ(o)は、英語のofに相当し、「~の」という意味。つまり、パーウーオヒイアカで「ヒイアカのスカート」という意味になる。 カークアオヒイアカ(kākua-o-Hiʻiaka)という別名もある。カークア(kākua)には、「(サロンやベルトなどを)巻きつける」という意味がある。

ペレとヒイアカの伝説

ヒイアカ(Hiʻiaka)は、火山の女神ペレ(Pele)の妹として、ハワイの神話にたびたび登場する女神。ペレや、同じくペレの妹であるラカ(Laka。愛と富の女神)とともに、フラの守護神でもある。

伝説によると、ペレの最愛の妹ヒイアカがまだ赤ん坊だったころのある朝、ペレはヒイアカを砂浜に寝かせて長い時間、魚捕りに出かけた。すると、つる植物が伸びてきてヒイアカを覆い、強い日差しからヒイアカを守ってくれたという。以後、そのつる植物は、パーウーオヒイアカ(ヒイアカのスカート)と呼ばれるようになったという。

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イリマとの名コンビ

海岸沿いでは、同じくハワイ在来種のイリマ(イリマ・パパ)と同じ場所で見られることが多い。そういった場所では、パーウーオヒイアカの青い花とイリマの黄色い花の美しいコンビネーションを楽しむことができる。

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