Crown flower (Calotropis gigantea)
ハワイ王朝最後の王、リリウオカラニ王女(1838–1917)がこよなく愛した花として知られる。ハワイには1888年にまず薄紫色の花をつける木が移入され、リリウオカラニ王女崩御後の1920年に白色の花をつける木も移入された。
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日本語名 | クラウンフラワー |
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ハワイ語名 | pua kalaunu |
英語名 | crown flower |
学名 | Calotropis gigantea |
分類 | ガガイモ科(Asclepiadaceae)カロトロピス属(Calotropis) |
その他 | 外来種(alien) |
分布
A
原産地はインドや東南アジア。ハワイでは、雨が少ない地域の民家で生垣として植えられることが多い。カホオラヴェ島と、ハワイ島のコナ(Kona)、コハラ(Kohala)などでは栽培されたものが一部野生化したという報告もあるが、一般的には野生化していないとされる。
特徴
低木または小高木。海の近くを好み、条件が良ければ高さ4.5mくらいになる。葉は倒卵形またはひょうたん型。花は直径約4cmの星型。甘い芳香があり、クラウンフラワー(冠花)という名の通り、中央部分が王冠の形に似ている。ハワイでは白色と薄紫色の花がみられる。花弁は5枚。ガガイモ科の多くの種同様、茎に乳液状の物質を含む。この乳液に触れると皮膚がかぶれることがある。
クラウンフラワーのレイ
花全体、もしくは花弁を除いて冠のような形の部分のみを繋げて、美しいレイが作られる。この花をこよなく愛したリリウオカラニ王女は、クラウンフラワーの長いレイをよく身につけていたという。
ハワイ語名
在来植物ではないが、プア・カラウヌ(pua kalaunu)というハワイ語名がある。プア(pua)は花、カラウヌ(kalaunu)は冠という意味。また、ニイハウ島ではリリウ(liliʻu)とも呼ばれる。
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クラウンフラワーとモナークチョウ
1841年から1852年の間にハワイに移入されたか、もしくは自力で北アメリカから渡ってきたとされているモナークチョウ(Danaus plexippus)という蝶の幼虫は、クラウンフラワーやトウワタ(キョウチクトウ科)の葉を食草としている。クラウンフラワーの周りにはモナークチョウの成虫が飛んでいることが多い。クラウンフラワーやトウワタに含まれる乳液状の物質には、鳥が嫌う成分が含まれており、葉を食べることによってこの成分を吸収したモナークチョウの幼虫は、鳥から襲われないという。ただし、コウラウンやシリアカヒヨドリなどのヒヨドリ類は、モナークチョウの幼虫も捕食する。
インドのクラウンフラワー
原産国のひとつであるインドではakundと呼ばれ、日本語名のアコンはこれに由来すると思われる。サンスクリット語ではarcaという。シヴァ神に捧げられる神聖な植物とされている。
愛の神カーマの矢
インドの愛の神カーマは、5本の矢を持っていて、まるでローマ神話のキューピッドのように若い人間のハートを射るという。このカーマが放つ恋の矢のひとつは、クラウンフラワーのつぼみで作られているという。
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