Mōlī (Phoebastria immutabilis)
飛翔時の姿が特に美しい、大型の海鳥。
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日本語名 | コアホウドリ(小信天翁) |
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ハワイ語名 | Mōlī |
英語名 | Laysan Albatross |
学名 | Phoebastria immutabilis |
分類 | アホウドリ科(Diomedeidae) |
その他 | ハワイ在来種(indigenous) |
分布
I
北西ハワイ諸島に多く生息するほか、伊豆諸島の鳥島、小笠原諸島、マーシャル諸島でも繁殖する。コロニー(集団営巣地)にいるとき以外は、食べ物を探して太平洋の中部から北部にかけて広く散らばる。3,000km以上の距離を旅する個体も珍しくない。
南東ハワイ諸島(ハワイの主要な島々)では、長い間コアホウドリの姿はみられなかった。しかし、1977年にカウアイ島のキーラウエア・ポイント(Kīlauea Point)近くで、さらに翌年に同じくカウアイ島のバーキング・サンズ(Barking Sands)で巣作りが確認された。現在は、オアフ島、モロカイ島、ラーナイ島、ハワイ島でも繁殖する。オアフ島ではカエナ・ポイント(Kaʻena Point)にコロニーがある。
形態
全長81cm、翼開長198cm。平均するとオスはメスより大きい。体は白色。尾と翼上面は黒色。翼下部は黒い縁取りがある白色で、黒色や茶色の斑紋がある。くちばしは灰色で、先端は青みを帯びる。足は淡いピンク色。目の周りの黒色で、海面のぎらつきを抑える役目がある。目の周りが黒いのは、アジサシ類やネッタイチョウ類などの多くの海鳥で共通する特徴である。ヒナは、モフモフとした濃い灰色の羽におおわれている。
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鳴き声
「キュヒヒヒヒヒ」や「ピュイー」と甲高い鳴き声を発する他、「ガー」と低く鳴いたり、くちばしを「カタカタカタカタ」とならしたりする。
生態
カツオドリと違って、海に潜ることはなく、海に降りて海面に浮かんだ状態で魚を捕まえる。その際、海の中から大きな魚やサメに襲われることがある。
成鳥は10月から翌年の晩春までコロニーで過ごす。未成鳥は遅れて7月までコロニーにいる。求愛行動は12月に始まる。ペアがおじぎとくちばしを天に向ける背伸びを繰り返し、大きな声で鳴いたりくちばしをカタカタとならす、とても特徴的な求愛ダンスをする。多くの夫婦は、一生同じ相手とつがう。巣は砂に掘った穴で、1個の卵を産む。
グーニー(まぬけ)な鳥?
海面を吹く風に乗って飛ぶ姿は雄大で美しい。その反面、陸地ではよたよたした不器用な歩き方で、ユーモラスにみえる。そのため、英語では「gooney bird」とも呼ばれる。Gooneyは、「まぬけな」という意味の俗語である。1985年のアメリカ映画『The Goonies(グーニーズ)』は、「まぬけなやつら」という意味と、物語の舞台となったGoon Docks(グーンドックス)というオレゴン州アストリアの架空の地名がかかった表題である。
世界最年長の鳥、ウィスダム
寿命は12~40年くらいだが、70歳を越える長寿の記録もある。ミッドウェー環礁国立自然保護区でウィスダム(Wisdom)と名付けられたメスのコアホウドリは、2023年12月の時点で推定72歳。ウィスダムは、確認されているなかでは世界最年長の野鳥である。
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