アマサギ

Cattle Egret (Bubulcus ibis)

アマサギ(Bubulcus ibis) アマサギ(Bubulcus ibis)

ホノルルの町なかでもよくみられる、小型の白いサギ。

日本語名 アマサギ(黄毛鷺)、ショウジョウサギ(猩々鷺)
ハワイ語名
英語名 Cattle Egret
学名 Bubulcus ibis
分類 サギ科(Ardeidae)
その他 外来種(alien)

分布

A

原産地は北アフリカとユーラシア南部だが、人の手によらず自力で大西洋を渡って新世界にたどり着いたという。1930年、旧英領ガイアナで最初に確認された。その後1962年までにカナダ南部に、1965年にカリフォルニアに到達した。現在ではオーストラリア、イベリア半島、日本、東南アジア、インドなどにも繁殖地がある。

ハワイには、1959年に、牧場の害虫駆除の目的で、105羽がフロリダから移入されたのが始まりであるという。以後、ハワイでは外来種として主要6島に多数生息し、牧草地、ゴミ捨て場、池の近く、カロ(タロイモ)やクレソンの畑などで見られる。モロカイ島とラーナイ島では少ない。北西ハワイ諸島にも少数生息する。1959年以前にハワイまで自力でたどり着いたことがあったのかどうかは、不明。

形態

全長51cm。オスとメスは同じ色。体は白色。くちばしと足は黄色。繁殖期には、頭、首、胸、背中が明るい褐色になり、くちばしと足が暗いオレンジ色になる。虹彩は黄色。目先は黄色い皮膚がむき出ている。未成鳥は、足とくちばしが緑色がかった黒色。

鳴き声

大きな声で「クワー」と鳴く。本種の鳴き声はかなり遠くからでも聞こえる。

生態

ハエやバッタなどの虫、ザリガニ、トカゲなどを食べる。他のサギ類と同じように、飛翔時には長い首を「S」字に折りたたむ。飛ぶ姿はゆったりとしていて優雅。

水辺に近いマングローブやキアヴェの木に大きな群れでコロニーを形成する。空港近くにも多く生息するため、バードストライクを起こさないためにも生息数のコントロールが必要とされているという。また、貪欲な食性のため、ハワイ在来の水辺の鳥や海鳥たちの巣を襲ったり、食物の競争相手になっていることも危惧される。

名前の由来

牧場では、ウシの後をついて歩いてウシに驚いて出て来た虫を食べる。また、ウシの背中に直接乗ったりしてウシにたかる虫を食べることもある。英語名のCattle Egret(Cattle=牛、Egret=白鷺)は、このことに由来する。また、民家の庭や公園で刈払機の音がすると、草刈後の地面に出てくる虫を狙って警戒心もなしに近寄ってきて、草が刈り終わるのをすぐ側でじっと眺めていたり後を追いかけたりする。

日本語名のアマサギは、繁殖期の羽の色に由来するが、「飴色」という説と「亜麻色」という説がある。別名のショウジョウサギも同じように、繁殖期の羽の色に由来する。ショウジョウ(猩猩、猩々)とは、中国に古くから伝わる霊獣のことで、能の演目として知られる。猩々が酩酊して舞を舞う様子が転じて、赤みを帯びた生き物に「ショウジョウ○○」と名付けられることがある。ハワイの野鳥でいえばショウジョウコウカンチョウがまさしくそうである。

ゴミ捨て場の鳥

数100羽の大きな群れを作ってゴミ捨て場の近くに集まることがある。そのため、ハワイの住民からは「rubbish dump bird(ゴミ捨て場の鳥)」とも呼ばれる。

作成日: