フナカイ(ミユビシギ)

Hunakai (Calidris alba)

フナカイ(ミユビシギ、Calidris alba) フナカイ(ミユビシギ、Calidris alba) フナカイ(ミユビシギ、Calidris alba)

ハワイでは8月から4月までの浜や水辺でみられる、小型の白い渡り鳥。シギやチドリの仲間では最も分布域が広く、最も長距離を渡る鳥のひとつ。2016年夏に公開された『ファインディング・ドリー』と同時上映された短編アニメ『ひな鳥の冒険(原題:Piper)』のモデルになった鳥。

日本語名 ミユビシギ(三趾鷸)
ハワイ語名 Hunakai
英語名 Sanderling
学名 Calidris alba
分類 シギ科(Scolopacidae)
その他 渡り鳥(visitor)

分布

V

ユーラシア、北アメリカ、グリーンランドなどの北極圏で繁殖し、主にアフリカ、オーストラリア、南アメリカなどで越冬する。日本にも旅鳥として飛来する。ハワイでは冬鳥として飛来し、主要6島でみられる。単独もしく3~4羽の小さな群れでいる。コーレア(ムナグロ)ウーリリ(メリケンキアシシギ)アケケケ(キョウジョシギ)などの他の冬鳥たちと一緒にいることも多い。ハワイでは海から離れた湿地にも多く、大雨の後には牧草地などの広い水たまりにいることもある。

形態

全長20cm。オスとメスは同じ色。冬羽の上面は明るい灰色、下面は白い。翼角は黒色。遠くから見ると全身が真っ白な鳥に見える。夏羽は頭、顔、首、胸、背が赤褐色になり、黒い縦斑があるが、ハワイでは夏羽の個体はめったに見られない。くちばしは短く、真っ直ぐで黒色。足も黒色。ミユビシギ(三趾鷸)という日本語名が示す通り、趾(あしゆび)は3本(前2本、後ろ1本)。翼には白色の帯があり、飛翔時に目立つ。

鳴き声

「ピィピィピィピィピィピィピィ」や「クィッ、クィッ、クィッ」と鋭く鳴く。

生態

繁殖地である北極圏から、越冬のため8月頃までにハワイに飛来する。4月に再び北極圏へ渡って繁殖する。砂地や浅い水辺で、砂のなかにいる無脊椎動物を活発に探して食べる。繁殖地はツンドラ地帯で、地面に4個の卵を産み、24~27日間抱卵する。わずかながら、ハワイで夏を越す個体もいる。

名前の由来

ハワイ語名のフナカイ(Hunakai)は「海の泡」という意味。波打ち際を動き回るこの白い鳥を、波のしぶきでうまれる白い泡に見立てて付けられた名前だろうか。

植物のフナカイ

ヒルガオ科のつる植物Ipomoea imperatiも、本種と同じくフナカイとよばれる。在来種としてカウアイ島、オアフ島、モロカイ島、マウイ島などの砂浜に自生し、朝顔に似た白い花をつける。本種との関連は不明。

波打ち際を行ったり来たり

砂浜では、波が引くのと同時に波が引いた場所に素早く駆け寄り、濡れた砂の中の獲物を探し、再び波が押し寄せてくると駆け足で逃げる。この波打ち際を行ったり来たりしている姿はユーモラスで、見ていておもしろい。ぜんまい仕掛けのおもちゃを連想する人もいるだろう。特に波から逃げるときは、黒い足の動きは目に見えないくらい早い。もし漫画家がこの様子を描くなら、きっと足は高速回転のぐるぐる巻きとして描くに違いない。

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