House Finch (Carpodacus mexicanus)
ハワイの町中や森などで普通にみられる鳥のひとつ。ハワイには、1870年以前にカリフォルニアから移入されたという。
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日本語名 | メキシコマシコ |
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ハワイ語名 | Manu-ʻai-mīkana、Manu-ʻai-papaia |
英語名 | House Finch |
学名 | Carpodacus mexicanus |
分類 | アトリ科(Fringillidae) |
その他 | 外来種(alien) |
分布
A
北アメリカ原産。北はカナダのブリティッシュコロンビア州から南はメキシコまで、北アメリカ大陸の西側に広く分布する。大陸の東側では、ニューヨーク州ロングアイランドで放鳥されたものが野生化してニューヨーク州、コネチカット州、マサチューセッツ州などで定着し、現在ではさらに広い範囲に生息域を広げている。ハワイでは、外来種として主要6島の海岸近くから標高3,000m以上の高山帯まで広く生息する。
形態
全長15cm。オスとメスは体の色が異なる【写真1】。オスの上面は茶色、腹は灰色がかった茶色。額から胸は赤みがかっている。オスにはオレンジ色や黄色の個体もいる。不思議なことに、アメリカ本土と比べるとハワイではオレンジ色や黄色のオスがみられる割合がかなり高い*。メスと未成鳥の体には赤みがなく、全身灰色。オスもメスも、体に濃い縞模様がある。くちばしは灰色。足は濃い灰色。メスはイエスズメのメスに似ているが、イエスズメの下面には本種のような縞模様がない。
*この違いのため、以前はハワイの個体群をアメリカ本土のものとは異なる新種とする説を唱えた学者もいたという。現在ではこの説は否定されている。
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鳴き声
さえずりは長くて複雑。カナリアのさえずりに似ている。1音か2音の濁った音で終わるのが特徴。地鳴きは澄んだ音の「チッ」や、音程が上がる「チュイッ」など。これらの地鳴きは、本種の先祖とハワイミツスイ類の先祖が関連している可能性を示唆しているといわれる。
生態
様々な環境に適応できる。民家の庭、公園、農地、開けた林などにもっとも多いが、小さな家族単位で山中の森林でもみられる。在来植物の森にも進出しており、ハワイ島ではマウナ・ケア(Mauna Kea)のマーマネとナイオの森にも多数生息する。生息する環境に合わせて草の種子、果実、虫などを食べる。特にアイアンウッドの種子を好む。餌台にも多く集まる。繁殖期は2~8月。カップ型の巣をハラやヤシの木などに作り、3~5個の青緑色の卵を産む。
パパイアバード
熟れたパパイアの実を好んで食べるため、パパイアバード(Papayabird)と呼ばれることがある。ハワイ語名のマヌアイミーカナ(Manu-ʻai-mīkana)やマヌアイパパイア(Manu-ʻai-papaia)は、「パパイアを食べる鳥」という意味である。
Linnet
ハワイではLinnetと呼ばれることもあるが、実際には本種とLinnet(ムネアカヒワ、学名:Carduelis cannabina)は別種である。ムネアカヒワはハワイには生息しない。
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