Warbling White-eye (Zosterops japonicus)
目の周りの白い輪がチャーミングな、日本で古くから親しまれてきた小鳥。今日のハワイでは、町でも森でも、いたるところメジロの姿を見ることができ、かつて日本人を魅了した美しい鳴き声を聴くことができる。
スポンサーリンク
日本語名 | メジロ(目白) |
---|---|
ハワイ語名 | — |
英語名 | Warbling White-eye |
学名 | Zosterops japonicus |
分類 | メジロ科(Zosteropidae) |
その他 | 外来種(alien) |
分布
A
日本、朝鮮半島南部、中国南部からベトナム北部、ミャンマー、海南島に分布。ハワイでは移入外来種として主要6島すべてに生息する。
形態
全長10cm。上面は黄緑色、下面は白。目の外縁は白色。喉は黄色。オスとメスはほぼ同じ色だが、メスはオスよりも色がわずかなに鈍く、黄色味が少ない。
色や大きさがアマキヒに似ているため、森を歩いていて「アマキヒか?」と思ってよく見るとメジロだったということが多々ある。ハワイの森の野鳥で目の周りが白いのはメジロのみであるため、目を見れば簡単に識別できる。
鳴き声
メキシコマシコよりも高い音程で、早口でさえずる、地鳴きは「チー」。小さな体のわりに鳴き声は大きく、筆者は、明け方にメジロの鳴き声によって目を覚ますことがある。他の鳥の鳴き真似もする。
スポンサーリンク
生態
餌となる虫、蜜、果実などを探して素早く飛び回る。繁殖期は2月〜11月。巣はカップ型で、草や繊維などあらゆるものから作られる。ハワイ大学マーノア校(The University of Hawaiʻi at Mānoa)のメジロの巣には、ヒトの毛髪も多く交じっているそうである。50種類以上の高木や低木で本種の巣が確認されている。3〜4個の白い卵を産み、11日で孵化する。
在来植物の森にも生息しており、オーヒア・レフアの花の蜜も吸うため、本種がハワイミツスイなどの固有種たちの食物競争のライバルになったり、外来植物の種を持ち運んだりしている可能性がある【写真1】。ただし、森の野鳥が近年激減してしまったカウアイ島*では、むしろメジロが森の植物たちの大事な花粉を運ぶ媒介者になっているという。
*カウアイ島における森の野鳥の減少については、カウアイ・アマキヒとカウアイ・エレパイオのページに詳しく書いた。
ハワイでは「mejiro」で通じる場合も
英語では「Warbling White-eye」と呼ばれる。White-eyeは、日本語名同様、周りが白い目に由来する。Warblingは、「さえずる」という意味の動詞warbleの現在分詞形。日系人の影響で様々な日本語が外来語として定着しているハワイでは、英語が母国語の人々の間でも「mejiro」(「i」にアクセント)という日本語名で呼ばれることも多い。
移入の歴史
1929年にTerritorial Board of Agriculture and Forestryによって、日本からオアフ島に持ち込まれた。さらに1937年に、ハワイ島にも移入された。その後、あっという間にハワイ中に広がった。フイ・マヌ(Hui Manu)という愛鳥団体によってもハワイに移入され、メジロクラブによる鳴き声のコンテストもホノルルで開かれていたという。おもしろいことに、日本から輸入したメジロよりも、ハワイで生まれ育ったメジロのほうが、鳴き声が美しいと言われている。
ハワイで目白押し?
外来の鳴禽類としては、ハワイで最も繁殖に成功した種とされている。海面近くから森林限界までの、乾燥した場所、湿った場所、都市部、荒地、そして山奥の在来植物の森にいたるまで、もはやハワイでメジロを見ない場所はないといっても過言ではないくらい繁栄している。大袈裟に言うなら、ハワイでまさに「目白押し」状態だ。
作成日: