Barn Owl (Tyto alba)
サトウキビ畑のネズミを駆除する目的で、1958~1966年にかけてアメリカ本土から移入されたフクロウ。
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日本語名 | メンフクロウ(面梟) |
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ハワイ語名 | — |
英語名 | Barn Owl、Monkey-faced Owl |
学名 | Tyto alba |
分類 | メンフクロウ科(Tytonidae) |
その他 | 外来種(alien) |
分布
A
ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、インド、オーストラリアの熱帯に広く分布する。太平洋では、フィジー、トンガ、サモア、ウォリス・フツナ、ニウエに自然分布する。ハワイでは外来種として主要6島に生息する。海岸近くから山間部まで、生息域は広い。
ハワイへの移入は、1958年4月と1963年6月に行われた。サンディエゴとサンアントニオの動物園から86羽のメンフクロウが持ち込まれ、カウアイ島、オアフ島、モロカイ島、ハワイ島に放された。その後すぐに数を増やし、生息域を広げ、マウイ島とラーナイ島でも見られるようになった。
メンフクロウ科(Tytonidae)
メンフクロウ属14種、ニセメンフクロウ属2種の2属16種からなる科。メンフクロウ属は世界的に広く分布する。ニセメンフクロウ属はアジアとアフリカに分布する。日本ではミナミメンフクロウ(Tyto capensis)が1975年に沖縄の西表島で保護された記録がある。
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形態
全長41cm。体は明るい黄色。下面の色はオスとメスで異なり、オスは白色、メスは淡黄色。顔は白いハート型。目は黒色。くちばしは白色。
プエオとの違い
ハワイに生息するフクロウの仲間は、本種の他にプエオ(コミミズク)がいる。メンフクロウは顔が白いハート形で、黒い目、白いくちばしであるのに対して、プエオは顔が淡色で丸く、目は黄色、くちばしは黒い。またプエオは、本種と比べると昼間にもよく活動する。
鳴き声
飛翔中にきしるような声で「ギィー」と鳴く。この鳴き声は、ハワイの田舎では夜に聞こえてくる典型的な音である。
生態
昼間も活動するが、主に夜行性。獲物を探して農地の上を飛んでいる姿がみられるほか、住宅地にもよく現れる。筆者が住んでいるカイムキー(Kaimukī)の町中、カピオラニ・コミュニティ・カレッジ(Kapiʻolani Community College)近く、カピオラニ公園(Kapiʻolani Regional Park)などで、夕暮れから夜にかけて何度もみたことがある。
主にネズミを食べる。ほかに大型の虫、鳥なども食べる。音立てずに飛び、聴力を頼って獲物を捕まえる。カウアイ島のキーラウエア・ポイント(Kīlauea Point)で営巣する海鳥たちの天敵となっている。森の野鳥も捕食するが、深刻な数ではないという。
木の空洞部、ヤシの木などに巣を作り、3~5個の白い卵を産む。抱卵はメスが行い、約33日で孵化する。
人工の建物にも巣を作ることがある。ちなみに英語名Barn Owlのbarnには納屋、物置、牛小屋などの意味があり、直訳すると「納屋梟」となる。
他に、ハート形の顔が猿のそれに似ていることから「Monkey-faced Owl(猿顔の梟)」という別名もある。日本語名のメンフクロウ(面梟)は、顔がまるで仮面をつけているように見えることに由来する。ハワイ語名はない。
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