ʻAkekeke (Arenaria interpres)
ハワイに飛来する代表的な渡り鳥のひとつ。
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日本語名 | キョウジョシギ(京女鷸) |
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ハワイ語名 | ʻAkekeke |
英語名 | Ruddy Turnstone |
学名 | Arenaria interpres |
分類 | シギ科(Scolopacidae) |
その他 | 渡り鳥(visitor) |
分布
V
ユーラシア、北アメリカの北極地方、グリーンランドの海岸で繁殖し、アフリカ、イラン、インド、インドシナ、オーストラリア、ニュージーランド、北アメリカ南部、南アメリカなどに渡る。日本にも主に旅鳥として春と秋に飛来する。ハワイには冬鳥として飛来し、主要6島で8月から4~5月まで見られる。ハワイで夏を越す個体もいるが、数は少ない。
形態
全長24cm。冬羽の上面は茶色、下面は白色。頭と胸に黒い模様がある。くちばしは黒色で短く、わずかに上に反っていて先端は鋭い。足はオレンジ色で短い。夏羽は茶色がより赤みを帯び、黒い模様がさらに濃くなる。ハワイで夏を越す個体は冬羽のままでいることが多い。飛翔時には翼、背中、尾の白黒模様がよく目立つ。未成鳥は全体的に体の色が淡い。北アメリカには、体が黒いクロキョウジョシギ(Black Turnstone、学名:Arenaria melanocephala)という近縁種もいる。
鳴き声
金属的な声で「ケッケッケッ」と鳴く。ハワイ語名はこの鳴き声に由来する。
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生態
ハワイでは小石が多い浜辺、泥地、草地などでみられる。主に砂だけのビーチにはあまりいない。普段はペアもしくは数羽の小さい群れでいることが多く、フナカイ(ミユビシギ)やコーレア(ムナグロ)などの他の冬鳥と一緒にいることもよくある。
危険を感じると群れ全体が一斉に素早く飛びたち、シンクロナイズドスイミングのように全体で同じように飛翔する。ハワイに飛来して間もない8月末から9月にかけては、250羽以上の大きな群れを作ることもある。
くちばしで小石を器用にひっくり返して、餌となる虫や甲殻類を探す。そのため首の筋肉が発達していて、体全体ががっしりとした印象がある。他種の海鳥の卵を割って食べることもある。繁殖地はツンドラ地帯で、背丈の低い植物が繁茂した地面に営巣し、4個の卵を産む。
名前の由来
英語名のRuddy Turnstoneは、本種が小石をひっくり返して食べ物を探す様子(turn=ひっくり返す、stone=石)からつけられたものである。Ruddyは血色のよい赤色という意味で、夏羽の色のことと思われる。
日本語名のキョウジョシギ(京女鷸)は、羽(おそらく夏羽)の模様を、京都の女性が着る美しい着物に例えたものであるらしい。
クック船長の最期を見た?
ジェームス・クックの最後の航海となった第3回航海時の1779年1月27日に、「ケアラケクア湾(Kealakekua Bay、ハワイ島)近くのタロイモ畑で数羽の白黒のチドリが食餌をしていた」というクック側の記録がある。これが、現在わかっている限り、ハワイの本種の最初の記録だと考えられている。
クックは、この記録の日から18日後の2月14日に、住民との小競り合いのなか、ケアラケクア湾で命を落とすわけだが、この小さな群れのアケケケたちは、ひょっとするとクックの最期を見ていたのかもしれない。
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