Hawaiʻi ʻElepaio (Chasiempis sandwichensis)
ハワイ島に生息するエレパイオ。尾をピンと斜め上にあげた独特のポーズが、森のなかで本種を識別するときのまず最初の手がかりである場合が多い。
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日本語名 | ハワイヒタキ(エレパイオの総称) |
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ハワイ語名 | Hawaiʻi ʻElepaio |
英語名 | — |
学名 | Chasiempis sandwichensis |
分類 | カササギヒタキ科(Monarchidae) |
その他 | ハワイ島固有種(endemic) |
分布
E
ハワイ島固有種。標高が高い森に多く生息する。
形態
全長14cm。エレパイオのなかでもっとも模様がはっきりしている。頭や胸の白い斑点が他の島のエレパイオよりも多い。くちばしは濃い灰色でまっすぐ短い。口の両端には毛のような黒い羽があり、口ひげに見える。足は濃い灰色。腰は白色。尾羽の先端は白色。2本の白い翼帯がある。
オスとメスで喉の色が違う。メスの喉はほぼ白色で、顎の狭い部分のみ黒い【写真1】。オスの喉も白色だが、広い範囲に黒い斑紋がある。カウアイ・エレパイオとオアフ・エレパイオは、オスとメスがほぼ同じ色で、実際に森の中で性別を見分けることはできないが、ハワイ・エレパイオのみは、この喉の色の違いで見分けることができる。
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ハワイ・エレパイオは、生息地別に3つのタイプに分けられ、それぞれ体の色が異なる。未成鳥はどのタイプでも変わらず、上面は茶色がかった灰色、下面は白色、翼帯は淡黄色【写真2】。
1. ウィンドワードのエレパイオ
ハーマークア(Hāmākua)やボルケーノ(Volcano)地区などの、雨が多いウィンドワード(windward、貿易風の風上側)の森に住む個体群。背中は濃い茶色。下面は白色で、胸部に茶色の濃い縞模様がある。眉斑は茶色。
2. コナとカーウーのエレパイオ
コナ(Kona)とカウー(Kaʻū)の個体群。マウナ・ロア(Mauna Loa)の西側の乾燥した裾野とフアラーライ(Hualālai)にすむ。上面は灰色がかった茶色。胸部の縞模様は少ない。眉斑は赤みがかった白色。
3. マウナ・ケアのエレパイオ
マウナ・ケア(Mauna Kea)のリーワード(leeward、貿易風の風下側)に広がる裾野の、乾燥したマーマネとナイオの森(標高1,900~3,000m)にすむ個体群。背中は灰色。胸部の縞模様は少ない。眉斑は白色。頭部に白い羽が多い。森のなかでは、頭全体が真っ白にみえる個体もいる【写真3】。
以前はこの3タイプをそれぞれ亜種(1. マウナ・ケア(C. s. bryani)、2. ウィンドワード(C. s. ridgwayi)、3. コナ/カーウー(C. s. sandwichensis)として分類されることもあったが、現在では分類しないのが一般的である。
鳴き声
鳴き声は、どの島のエレパイオもほぼ同じである。詳しくはエレパイオ(まとめ)を参照されたい。
生態
餌となる虫を探して、高木の頂から地面まで、活発かつ敏捷に森の中を飛び回る。翼を使って空中で虫を捕まえることもできる。繁殖期は1~7月。巣は椀型で、葉、細根、地衣類、クモの糸などを使って木の枝の根元に丁寧に作る。巣の材料に地衣類を使うのは、ヒタキ類に共通する特性である。
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