House Sparrow (Passer domesticus)
ユーラシア原産のスズメ。日本に生息するスズメ(Passer montanus)より一回りほど大きい。日本のスズメ同様、人間社会に密着した鳥なので、ハワイでも一般的に知られている。
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日本語名 | イエスズメ(家雀) |
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ハワイ語名 | manu liʻiliʻi、kepola |
英語名 | House Sparrow |
学名 | Passer domesticus |
分類 | スズメ科(Passeridae) |
その他 | 外来種(alien) |
分布
A
ユーラシア、オーストラリア、南北アメリカなど、世界中に広く分布するが、ユーラシア以外は人の手によって移入され帰化したものである。世界的な分布域は、現在も拡大し続けているという。ハワイでは、1871年にニュージーランドからオアフ島に最初に移入された。現在は主要6島すべてに生息する。都市部に多く、農地でもみられるが、森林には滅多にいない。
形態
全長15cm。オスとメスは体の色が異なる。オスは頭頂部が灰色、首の後ろが茶色、顎から喉にかけて黒い。頬は白色で目立つ。下面は灰色。メスと未成鳥は上面が鈍い茶色、下面が灰色。オス、メスともに足は明るい色。
鳴き声
地鳴きは「チュン、チュン」。さえずりはもたない。
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生態
草の種や虫など、食べられるものは何でも食べるが、多くは人間の生産物や食べ残しなどに頼っている。チョウショウバト同様、人間の食べものを目当てに、フードコートやレストランのテラス席などにもやってくる。ただし、人がいても平気で卓上まで上がってくるチョウショウバトと比べると、警戒心はやや強い。オスが木や建物にドーム型の巣を作る。1回の営巣で2〜4個の卵を産む。卵は斑点がある白色。ハワイの個体群の一年を通した生活サイクルの実態は、よくわかっていない。
カマアーイナ鳥
本種やカノコバト、インドハッカ(カバイロハッカ)、メキシコマシコなどは、すべて1800年代にハワイに移入された。これらの鳥たちは、ハワイの外来種としては比較的歴史が長く、カマアーイナ(kamaʻāina、ハワイ在住者)として、人間の暮らしに密接しながら世代を重ねている。
本種にいたっては、ハワイで1世紀以上世代を重ねながら、すでに外形が変わってきているという。ハワイに生息する本種の個体群は、大陸のものと比べると、体の色がやや淡く、足の色がやや明るいといわれる。さらに、ホノルルにすむ個体群のくちばしの平均的な長さは、大陸にすむ個体群のそれよりも長いという。また、ハワイの本種は、アメリカ本土の本種と比べて性格が穏やかであるそうだ。
その他
マヌイリイリ(manu liʻiliʻi)や、ケポラ(kepola)というハワイ語名もある。マヌ(manu)は鳥という意味。イリイリ(liʻiliʻi)には「あちこちに」や「小さい」などの意味がある。つまりマヌイリイリで「そこかしこにいる鳥」もしくは「小さい鳥」という意味であろう。ケポラの由来は不明。
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