Hawaiʻi ʻAmakihi (Chlorodrepanis virens virens)
ハワイ・アマキヒ(Chlorodrepanis virens)は、ハワイ島、モロカイ島、マウイ島に生息するアマキヒである。かつてはラーナイ島にも生息していた。モロカイ島、マウイ島、ラーナイ島の個体群は亜種Chlorodrepanis virens wilsoniとして分類される。ある時期までは、オアフ島の個体群も同種とされ、まとめてCommon ʻAmakihiと呼ばれていたが、現在は別種として分類されている。
このページではハワイ島に生息する個体群(Chlorodrepanis virens virens)について述べる。
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日本語名 | — |
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ハワイ語名 | Hawaiʻi ʻAmakihi |
英語名 | — |
学名 | Chlorodrepanis virens virens |
分類 | アトリ科(Fringillidae) |
その他 | ハワイ島固有亜種(endemic subspecies) |
分布
E
ハワイ島固有亜種。マウナ・ケア(Mauna Kea)のリーワード(leeward、貿易風の風下側)のスロープに広がるマーマネとナイオの森に特に多い。このエリアに生息するすべての鳥類の9割がアマキヒであるとも言われている。ハワイ火山国立公園(Hawaiʻi Volcanoes National Park)では、ハイキングをすることなく、駐車場のすぐ近くから手軽に見ることができるチャンスがある。
形態
全長11cm。オスとメスは体の色が異なる。オスは明るい黄緑色で、アマキヒのなかでは体の色が最も明るい。メスは少しくすんだ色で、くちばしが小さい。眼先は黒色。くちばしは下にカーブしている。カウアイ・アマキヒよりもくちばしが短くて細く、湾曲が緩やか。未成鳥はくすんだ灰色で、薄い色の翼帯がある個体や、眼先の黒色がない個体もいる。
似ている鳥たち
ハワイ・クリーパーと似ているが、ハワイ・クリーパーのくちばしはほぼまっすぐで、カーブしていない。ただし、特に若い鳥は、実際に森の中で両者を識別するのはかなり難しい。
アキアポーラーアウ(カワリカマハシハワイミツスイ)が生息するコアの森などでは、アマキヒと混同しやすい【写真1】。アキアポーラーアウの方が体がひとまわり大きく、またアキアポーラーアウは長く伸びたユニークな上くちばしを持っている。しかし、ハワイ・クリーパーほどではないが、やはり実際に森の中で、肉眼ではなかなか見分けがつきにくい。
体色や行動は、ハワイ島の森にたくさん生息する外来種のメジロにも似ている。本種を含めたすべてのハワイミツスイ類で、メジロのような目の周りの白い輪がある鳥はいない。また、メジロは、アマキヒよりも背中の色が明るい。
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鳴き声
さえずりは、大きな声の長いビブラート。カナリアのようにソフトで複雑なさえずりもある。主に木の枝に止まっているときにさえずるが、飛びながらもさえずることがある。
地鳴きは、「チィー」が最も多く、他にネコのような「ミャー」、音程が上がる「クィー」、細い音の「ジー」などがある。また、マウナ・ケアの個体群には複数音節からなる地鳴きもあり、これはパリラ(キムネハワイマシコ)の鳴き真似であると予想されている。
さえずり(2014年4月)2羽が交互に鳴いている
地鳴き(2014年10月)
生態
湿潤な森にもすむが、乾燥した森のほうを好むようである。小さな群れで行動することが多い。オーヒア・レフア、マーマネ、アーカラ、ロベリア類などの花の蜜を吸うほか、花や木の幹や枝などにいる虫を食べる【写真2】。ロベリア類の長い管状の花の底まではくちばしが届かないので、花の根元に穴を開けて蜜を吸ったり虫を食べたりする。
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